カルティエ モダンとクラシックの融合

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カルティエ モダンとクラシックの融合

カルティエのメガネ

カルティエは、自社でフレームを製作する数少ないアイウェアメーカーの 1 つです。

もともと高級ジュエラーとして名高いカルティエでしたが、1983にアイウェアの分野に進出しました。
発表当初に発売されたモデルから、ジュエリーや時計に使用されているものと同じ高級素材を用いており、すでに洗練された完成品でした。

元々は、特別な顧客向けにアイウェアを制作していましたが、一般の顧客向けに販売し始めたことによりブランドはさらに拡大し、カルティエの歴史において重要な節目となりました。

アイウェアの発表当初から、サントス、パンテール、トリニティなど、一目でカルティエと分かるクラシックなスタイルの作品を提供し続けています。
また、フレーム素材も最高の品質で作られており、その高級感を反映しています。

素材としては、金や銀などの貴金属だけでなく、ブビンガ材、水牛の角、革、カーボン等が使用され、
耐久性をたもちながらも軽量で美しいフレームを丁寧に作り上げています。

カルティエ ヴァンドームサントス / 1990年前後
カルティエ パンテールドゥカルティエ
/ 2010年代

アイウェアの制作工程

カルティエのアイウェアの製作工程としては、原型となるモデルを作成する前のスケッチから始まり、その後3Dプリントされます。
試作品が通ると、フレームの作成を開始できます。手塗りのラッカー塗装から、光沢仕上げのためのダイヤモンド研磨まで、
各段階には時間と精度が必要です。

すべての段階で細部にまで細心の注意が払わるため、高い基準を満たした製品が生まれます。

Cデコール/シグネチャーCドゥカルティエ
ウッドテンプル / 2010年代

カルティエのアイウェアの特徴

カルティエのメガネには個別のシリーズ番号が刻印されています。

製造年に関しては、全てのアイウェアに刻印されているわけではありません。

もともとはブリッジの部分にモデルが発表された年が刻印されていました。

さらに、カルティエは顧客の要望に応えて、一部のモデルを改良したり、さまざまなサイズでラインアップを拡大したりしました。たとえば、56 mm の小型のヴァンドームのメガネは、当初は男性用モデルとしてのみ意図されていたものでしたが、予想に反して女性も興味を示したため、かなり後になってから発売されました。

さらに、会社自体も絶えず変化を続けており、生産ラインや手順を最適化するための社内決定が行われていました。

つまり、1983年以来、カルティエのメガネのコレクションは、時代の影響を受けながら、常に成長を続けてきましたが、その結果、長年にわたる個々のモデル間の大小の違いが発生しており、それを完全に理解し説明できるのは、非常に専門的な人間だけだと言われます。

カルティエ ブルタイユ ウッド
/ 1990年代

コレクターS氏にインタビュー

また、今回は、実際にカルティエのメガネと時計を愛用するコレクターのS氏にインタビューをしました。
世代を超えて受け継がれるカルティエのデザインはどのようにユーザーの心へ響いているのでしょうか。

今日のこの時計の購入のきっかけですか。

やはり時計を色々と着けていて、それこそ今度はジュエラーのところの時計が欲しいなと思ったときに、カルティエしかないなと思いました。
それで、サントスにひかれて色々調べていく中で、現行だと、サントスはかっこいいなという流れになりました。

デザインがアップデートされ変化していく中で、それを全部知ったうえで現行がいいなということです。

昔のカルティエと今のカルティエのデザインコードは一致していて、世代を超えた作品を今のスタイルに合わせてみても違和感があまりないんです。
そういったところにも惹かれますね。

やっぱりそれは私もカルティエの歴史を知っていますし、あとは、自分の父親もメガネが好きで、形見がカルティエのメガネだったんです

アビエイタークラシックのフレームにサファイアが
はめこまれたルイカルティエ
奥は 私物のサントス ガルべ

父親のメガネも、銀座か日本橋の百貨店で買ったと思うんですが、とにかく父がおしゃれだったんですね。
それこそ、ジェイエムウエストンのサイドゴアをはいていたりとか、マフラーもマッキントッシュのマフラーをしていたりして、その父親の影響は大きいですね。

また最近、現代美術に興味を持ってまして、草間彌生や岡本太郎の作品を所持しています。
次は、レオナールフジタの作品に興味を持っています。

カルティエが魅力的なのは、そういったモダンの精神を、時を超えて受け継いでいるからともいえますね。

例えば、今年は上野の西洋美術館で『結 MUSUBI』展を開催していました。

私もそこに行ったのですが、その展示の中で現代アーティストと組んだり、
’浮世絵を現代アート風にしたてて名作のジュエリーと絡めたりしている点は、
まさにモダンとクラシックの融合といったところでしたね。

つまり、昔からの顧客層を大切にしつつも、
若い世代や国際的な客層にもしっかりアピールする姿勢をカルティエは取り入れているんです。

まとめ

アビエーターのデザインから、現在販売している高級アイウェアまで、カルティエは業界の最前線に立ち続けて、時代に合わせた新しいデザインを生み出し続けています。
そして、初期から変わらないデザインコードも同時に受け継いでいき、親から子の代へと受け継がれていきます。


この記事を書いた人-
SY

イリスラグジュアリー新人時計ライター。
ブランドの歴史を研究中。