藤野のリコメンド【第1回】
セイコーワールドタイム
1964年(昭和39年)の日本
戦後19年(1945年終戦)の日本は大変活気がありいわゆる「高度成長期」へと突き進む時代でした。
同年4月1日に海外旅行が解禁され(当時持ち出し外貨は$500 $1=360円)同年10月1日に東海道新幹線が東京⇔新大阪間開通。そして同年10月10日にはオリンピックが東京で開催されたのです。
それに合わせ首都高速道路も着々と完成し東京の風景も日々変化していきました。
さてご存じのように東京オリンピックの公式時計としてSEIKOが担当しました。
スイスでは1950年代から1960年代が時計の黄金期と言われる中、日本の時計メーカーも追いつけ、追い越せと各メーカーが威信をかけて物づくりをした時でもあります。
その中で最近再度見直されてきているのが「ワールドタイム」です。一見「ルイ・カルティエ」方式に見えますが4時位置のりゅうずを回して都市名の刻まれたリングを回します。
自分の滞在している都市を矢印の針に合わせると他の都市の時刻がわかるという一種の計算尺的な使い方をするのです。
高級機種のような時間の経過とともに時間リングが同調する機構ではありませんがその分シンプルな構造になりメンテナンスもしやすくなっています。
1st 2nd モデルが有名ですが3rdモデルはCラインをまとった当時としては大きめな40mmという大きさです。日本全体が明るく希望を持って国民が頑張った時代の時計、是非手に取ってご覧ください。
この記事を書いた人-
藤野
シェルマンを定年退社した元店長
MRからこの業界に入り、お金持ちにオールドパテックを売りまくる。
時計愛を拗らせてパテックからオメガやセイコーのデジタルウォッチまでこよなく愛する哲学者。
最近は昭和ノスタルジーとセイコーと愛犬のレオンに思いを寄せる